日本人のあまりにも盲目的なアメリカ崇拝の態度が、我々がキューバ及びカストロを誤解している最大の原因だと思う。カストロは単なるゲリラ上がりのリーダーではない。ハバナ大学法学部を出た元弁護士のインテリである。31歳で革命を成功させた彼の驚くべき頭脳、行動力、カリスマ、楽観主義が今のキューバを作りあげた。人口2臆6000万人の超大国アメリカが何故人口1100万人のキューバをあれほど執拗なまでに虐めるのか?アメリカの歴代大統領9人が何故カストロ1人にあれほどまでに振り回されるのか?革命直後には社会主義国でなかったキューバが何故社会主義国になったのか?この本には私達が疑問に思っている事への答えが書かれている。
著者の控えめな表現の中にも、カストロの人並みはずれた頭脳と人を動かす能力の高さがうかがえる。カリブ海の小国の革命が、なぜあれほどにアメリカを恐れさせたか。また、キューバ革命とかれのイメージが、いかに歪められて伝えられていたかを、思い知らされる一冊。「歴史が、私に無罪を宣告するだろう」と言った、あの有名な裁判の模様も詳しく、書かれている。今もなお、世界の帝国主義に断固として反撃する人物のひととなりを知るには、絶好の書である。